
師匠の稽古
- 矢萩 由三子
- 1月6日
- 読了時間: 2分
ひどく驚いた。
目の前で師匠が、生徒さんを前にしてお稽古をされている。いつもの、あのスタイルで。
十四年前にお亡くなりになっている。いるわけがない。けれど……いる。(いらっしゃる)
似ている、というレベルではない。本物の師匠だった。
驚きまくり、挙動不審になっている私に、声をかけてくれた方がいた。
「金曜日にもお稽古しているから、参加したら?」
金曜日?あれ、今日は何曜日だっけ?そう思った瞬間、目が覚めた。
――夢だ。
なんとも言えない、後味の微妙な夢だった。
師匠とは、会話はなかった。目も合わなかった。
それでも、楽しそうに指導されている姿は、本当にいつもの師匠そのものだった。
生前、師匠は本当に楽しそうにご指導されていた。
夢中になりすぎて昼休みを取らず、講義を続けてしまい、参加者の方にお叱りを受けたこともある。
大きな手術をし、退院して数日後、地元から離れた場所のお稽古にも来られた。
中止にしてほしいと何度もお願いしたのに、新幹線に乗って来てしまった。
大きな手術をしたとは思えないほどお元気そうだったが、稽古を終え、生徒さんと解散した途端、お辛そうなご様子だった・・。
ご家族や弟子の心配を無視してまで、それでも伝えたいことがあったのだろうか。当時の私には、理解できないことが多かった。
そんな思い出があるからこそ、まさか・・亡くなっても、まだ和道ヨガをされているのか、そんな思いがよぎった。
私は、この夢をどう受け取ればいいのだろう。
生前、師匠に言われた言葉のひとつに、
「自由に書き直していい。好きなように使えばよろしい」というものがある。
夢の中で、師匠は何も言わなかった。
「継承しなさい」でも「守りなさい」でもなかった。
けれど、無心で指導されていたその姿は、私にこう示してくれたように思う。
「――自由にしていい。――好きなようにすればよろしい。」
縛るものは、何もない
今年も 私のペースでお稽古をしていきます
どうぞよろしくお願いします




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