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師匠の稽古

 ひどく驚いた。


目の前で師匠が、生徒さんを前にしてお稽古をされている。いつもの、あのスタイルで。

十四年前にお亡くなりになっている。いるわけがない。けれど……いる。(いらっしゃる)

似ている、というレベルではない。本物の師匠だった。

驚きまくり、挙動不審になっている私に、声をかけてくれた方がいた。

「金曜日にもお稽古しているから、参加したら?」

金曜日?あれ、今日は何曜日だっけ?そう思った瞬間、目が覚めた。

――夢だ。


 なんとも言えない、後味の微妙な夢だった。

 師匠とは、会話はなかった。目も合わなかった。

それでも、楽しそうに指導されている姿は、本当にいつもの師匠そのものだった。


 生前、師匠は本当に楽しそうにご指導されていた。

夢中になりすぎて昼休みを取らず、講義を続けてしまい、参加者の方にお叱りを受けたこともある。

 大きな手術をし、退院して数日後、地元から離れた場所のお稽古にも来られた。

中止にしてほしいと何度もお願いしたのに、新幹線に乗って来てしまった。

大きな手術をしたとは思えないほどお元気そうだったが、稽古を終え、生徒さんと解散した途端、お辛そうなご様子だった・・。

 ご家族や弟子の心配を無視してまで、それでも伝えたいことがあったのだろうか。当時の私には、理解できないことが多かった。

 そんな思い出があるからこそ、まさか・・亡くなっても、まだ和道ヨガをされているのか、そんな思いがよぎった。


 私は、この夢をどう受け取ればいいのだろう。



生前、師匠に言われた言葉のひとつに、


「自由に書き直していい。好きなように使えばよろしい」というものがある。


夢の中で、師匠は何も言わなかった。

「継承しなさい」でも「守りなさい」でもなかった。


けれど、無心で指導されていたその姿は、私にこう示してくれたように思う。



「――自由にしていい。――好きなようにすればよろしい。」



縛るものは、何もない



今年も 私のペースでお稽古をしていきます

どうぞよろしくお願いします



 
 
 

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