雑誌からなのか、本からなのか、文章の一部をコピーした用紙が残っていました。
たぶん、20年ぐらい前だと思うのです。
ノートに止めるのにセロテープが使われていたけれど、黄ばんで乾燥して剥がれてしまっている・・・
著者より、武満徹という人の文章に興味をもったのですね。もっと読んでみたいと思ったのだと想像しますが、探すことはしませんでした。ものすごく興味あったわけではなさそうですが、そのコピーされた紙をずっと捨てなかった訳はなんだろう・・・なんとなくそのまましていた・・捨てる機会は何度もあったのですが・・・
武満徹はその後音楽家だと知りました。
彼の音楽にも縁がありませんでした。
つい先日、図書館で「武満徹」の本をたまたま見つけました。
それで、黄ばんだセロテープ付きのコピーを思い出したのです。
その本は追悼集でした。
音楽、文章、絵と、才能溢れていた方のようです。
編集後記に娘さんの言葉が載っていました。
「闘病中、父は友人に「鯨のような優雅で頑強な肉体をもち、西も東もない海を泳ぎたい」と書いていたそうです。」
病気を治したい、元気になりたという思いを、そんな素敵な言葉で表せるなんて憧れます。そして、ものすごく深い意味だと感じます。
鯨のように〜
私はこの言葉に出会うためにそのコピーを持っていたのだろうか・・・
消えるから残る
これも深いなぁ〜
形あるものに、見えるものとして保存・記録も大切だけれど
目に見えるけれど心に残らないということがあることも忘れないようにしたいです〜
消えるから残したい想いと目に見えなくても耳にできなくても残すことはできますね〜
武満徹
1996・2・20没
今日は命日